
「マッスルスーツEvery(エブリィ)(以下Every)」は、東京理科大学発ベンチャーの株式会社イノフィスが、開発者の東京理科大学の小林教授、情報機器メーカーのリコーグループと連携し、量産化を実現。そして、いま、重労働を伴う様々な現場からもっとも熱い視線を集めている、最新テクノロジーを駆使した作業⽤補助器具である。 ⽤途や作業環境に合わせて、「タイトフィット」「ソフトフィット」の2モデルがある。
ソフトフィットは重いものを持ち運びする作業に最適だ。 少し屈んだ状態でも補助力が作動するため、あまり移動がなく、中腰で姿勢を維持する作業に向いているタイトフィット。
何と⾔ってもEveryがリリースとともに話題を呼んだ点は、その価格設定だ。メーカー希望小売価格は149,600円(税込)と⼀⾒安い買い物ではないようにも思われるが、実際に販売から約半年経つ現在でも、その利⽤価値が⾒込まれる多くの現場からのオーダーが鳴り⽌まない。
それもそのはず、まだ開発段階で販売ロットも少ない多くのアシストスーツの価格は数十万〜⾼額なものでは数百万円にも及ぶものだが、このEveryは、本体の大部分を樹脂製とし、量産化を可能としたことで、価格を大幅に抑えることに成功している。
初期のモデルより、マッスルスーツは空気圧の力を利用する人工筋肉を搭載し、シンプルな構造ながら十分な補助力を得られる構造となっている。(マッスルスーツEveryの補助力は最大25.5kgfであり、これまでのモデルと同等の機能を有する)

第⼆には、メーカーのイノフィスの、大学並びに量産を請け負った⼤⼿情報機器メーカーとの協業連携に依る部分が多い。現場での酷使を想定した耐久テストや、厳しい製造基準をクリアしており、初めてアシストスーツ製品を使うユーザーサイドの不安も解消している。
実際に使⽤されている主な現場は、業務の中で重量物を持ち上げたり、⻑時間の中腰姿勢を強いられる介護や⼯場などの現場が多く、最近では農作業での活用も進んでいる。その他、雪かきや書類の移動作業など、思った以上に⽇常での活⽤シーンは広い。

こうしたアシストスーツが世の中の注⽬を浴びている背景には、⽇本の少子超高齢社会への⾼い関⼼があり、逆説的に、それが多くの⼈にとって他⼈事ではないという現実を突きつける。
特に介護や農業の現場では、(⾼齢化によって)仕事量が増えるかわりに担い⼿が減ると予想されているため、せめて彼らを慢性的に悩ませてきた⾜腰の負担を少しでも軽減したいというのが、開発者でもある⼩林教授のスタートラインとなったそうだ。実際のところこのスーツの需要は、物流業界を含め、まだまだ計り知れない可能性を秘めている。
製品発表会の舞台で「今後もさらに軽く、より低価格を実現するための開発を続け、⽇本のみならず世界にも展開して、腰痛に悩まされることのない世界を、⽇本初の技術で実現していきたい」と抱負を語った⼩林教授と、このEveryの⾏く末を、今後もLo-ZINEでは積極的に⾒守っていきたい。(編集部)
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